テロ対策 2014 3 9
今の中国は、反日運動どころではないでしょう。
対テロ対策が忙しく、あるいは反政府運動対策のため、
反日運動をやっている余裕はないというのが現状でしょう。
今後、異民族からはテロ攻撃、
漢民族からは反政府運動で、
政権運営は厳しいものとなるでしょう。
中国における経済的な格差は、
アメリカを上回るほど深刻です。
アメリカは資本主義国だから格差は当然だとしても、
中国は共産主義国だから、本来、
そういう格差は、あってはならないことです。
毛沢東が、現代の中国に生まれたら、
必ず「共産主義革命」を起こすでしょう。
2014年3月9日の産経ニュースWeb版には、このようなニュースがありました。
「不審民間機の撃墜命令か 中国軍、北京中心部上空で」
香港の人権団体、中国人権民主化運動ニュースセンターは9日、
北京行きのマレーシア航空機が消息を絶ったことに関連し、
中国の最高指導部が8日、軍に対し、
北京中心部に近づこうとする不審な民間機があれば、
撃墜するよう緊急命令を出したと伝えた。
同センターは、マレーシア航空機に爆弾を持った人物が搭乗し、
北京上空で乗っ取って中国の権力の中枢「中南海」に突っ込む予定が、
発見されて爆破した可能性があると指摘している。
根拠は不明。
(引用、以上)
このようなニュースは、あくまでも「噂」ですが、
現状の中国では、異民族の不満は高まっていると言えるでしょう。
こうした動きに、政府に不満を持っている漢民族が加担することもあるでしょう。
怒りや恨みを持っている異民族、
政府に不満を持っている漢民族、
こうした二つのエネルギーが、
同時多発的に、あるいは結合して爆発するかもしれません。
何年か前のアメリカ映画では、
アメリカ政府に不満を持った武装勢力が、
「外交行嚢」に超小型の核兵器を入れて、
ワシントンで起爆させるという映画がありました。
そういうテロが中国でも起こると想定して対テロ対策をすべきです。
地方政府だって、中央政府のやり方に、
徐々に不満が高まってきています。
こうした「不満エネルギー」が、
新たな形の「共産主義革命」を起こしてしまうかもしれません。
あるいは、「フランス革命」のようになってしまうのか。
これを人民解放軍は、どう見るのか。
政府につくのか、人民につくのか。
政治評論家の長谷川慶太郎氏は、著書で、こう書いています。
「人民解放軍の、どこかの軍区が日本に対して、
日本と連携しようと画策するかもしれないが、
混乱が収まるまで静観すべきだ」
アメリカは、オスプレイを使って、
アメリカ人救出作戦を実行するでしょうが、
日本人は、無理でしょう。
ばかげたことに、日本国内では、
オスプレイ反対運動が起こってしまったからです。
帝国は、内部から崩壊する。
日中友好の迷路 2014 2 16
書名 日本はこう激変する
著者 長谷川 慶太郎 徳間書店
日本と中国は、経済的な結びつきが強く、
政治的には対立しても、
経済的には友好関係を保ちたいと考えているでしょう。
中国としては、日本からの投資が必要であり、
さらに、公害を克服した日本の技術も欲しいでしょう。
日本企業も、巨大な中国市場に魅力を感じるでしょう。
だから、時が経てば、自然と日中関係は修復されるはずだった。
しかし、事態は暗転する。
2013年11月18日から1週間の日程で、
日本の経済界は、
日中経済協会訪中代表団を中国に送った。
これで、氷のように冷え切ってしまった日中関係は、
好転するのではないかと思われた。
しかし、事態は暗転する。
以下は、この本から引用です。
訪中代表団が帰国する直前の11月23日、
中国国防省は突如として、中国周辺に、
防空識別圏を設定すると発表した。
それは、日本の防空識別圏とも重なっており、
尖閣諸島の上空も含んでいたため、
日本人の大半が中国に対して、
一段と警戒心を高めたのは周知の通りである。
訪中代表団の経営者たちも、
驚き、呆れ、憤った。
(そして、メンツをつぶされたと思います)
それにしても、なぜ中国は突然、防空識別圏を設定したのか。
しかも、総勢178人もの訪中団がやってきて、
中国の副首相との間で日中友好関係の再構築を図ろうとしている時に。
しかし、だからこそ、人民解放軍が防空識別圏を設定することによって、
日中友好というムードに冷や水を浴びせたのである。
このまま日中の友好関係が確立するという方向が打ち出されたとしたら、
役割と面目を失うのが、人民解放軍にほかならない。
人民解放軍は、もともと習近平政権に対しては、
対日接近の度がすぎると見ており、
訪中団がやってきたタイミングを見計らって、
日中友好関係にブレーキをかけるべく動いたのだ。
(引用、以上)
中国では、党中央や地方政府の意向と違って、
人民解放軍は、「経済は、俺たちには関係ない」と考えているでしょう。
特に、現場の兵士たちは、そういう傾向が強い。
だから、いつか、党中央の最高幹部が、
テレビのニュースを見て、
「わが軍は、いったい何をやっているのか」と仰天する事態も発生するでしょう。
中国では、党中央の意向を無視して、
勝手に動いている地方政府もあるので、
あるいは面従腹背になっている地方政府もあるので、
人民解放軍では、何が起こるか、わからないものがあるでしょう。
特に、現場の兵士たちが想定外の事態を引き起こすこともあるかもしれません。
党中央の最高幹部が、テレビのニュースで初めて、
現場で起きている事態を知ったということも増えてくるでしょう。
シャドーバンキング 2014 1 5
書名 日本は史上最長の景気拡大に突入する
著者 長谷川 慶太郎 PHP
この本で気になることは、
いわゆる「アベノミクス」のことではなく、
第五章の中国のシャドーバンキングのことです。
この章で、著者は、
習近平政権と人民解放軍の対立について書いています。
シャドーバンキングとは、「影の銀行」のことで、
銀行でない金融機関のことです。
日本では、ノンバンクという金融機関でしょうか。
昨年、中国では、あるいは世界的にも、
シャドーバンキングが大きな問題となりました。
問題は、中国では、シャドーバンキングが、
純粋な金融問題として扱えないことにあると著者は指摘します。
著者は、シャドーバンキングの実質的な経営者は、
人民解放軍の幹部であると指摘すると同時に、
習近平政権が率いる北京政府と人民解放軍の
激しい路線対立があると書いてあります。
人民解放軍を締め付けるために、
シャドーバンキングをつぶそうとすれば、
それを最後の頼みの綱としている中小企業は、倒産します。
そうなれば、膨大な失業者が出て、中国は大混乱になります。
しかし、シャドーバンキングを救ってしまうと、
人民解放軍の資金源を断つことができなくなります。
要するに、シャドーバンキングは、金融問題ではなく、
軍事問題、あるいは文民統制の問題であると著者は言いたいのでしょう。